院長ブログ

2018.05.14更新

(つづき)

 彼が知っているアトランティスは、春のアトランティス(後期アトランティス)と呼ばれていました。前期の「月のアトランティス」との境界には宇宙からの大コンタクトがありました。月のアトランティスは、目に見えるモノから必要なモノを作り出す文明でした。現代と異なるのは、人々の我が創造主によって封印されていたためにワンネスの平和で豊かな文明だったことでした。 
 ある時、宇宙から多くの人たちが降りてきてアトランティスの世界を一変させました。最も大きな変化は、五感の向こうにある広大なエネルギー資源を活用できるようになったことでした。この宇宙エネルギーと共感できない人たちは虹の身体となって消えていってしまいましたので、春の時代から月の時代へと移り住むことができたのは10分の1の人だけになってしまいました。アトランティスの人たちは、これを永遠に記憶するために遺伝子工学を用いて自らの指の数を10としたのでした。(それまでは何本指だったのか?の記憶は彼にはありませんでした)
 月の時代になると、人々は想念でモノを創り出せるようになりました。食物や日用品はもちろんのこと、巨大な建物やさまざまなモニュメントも人々が集まり想念すれば忽ち現実化できました。空を飛ぶことや海を渡ることはひとりで簡単にできました。この月の時代もとても長く続いたそうです。
 月の時代の終焉も天からやって来ました。今度のコンタクトは宇宙からの声でした。テレパシーを通じて、すべてのアトランティスの人々の意識が文明の終焉が近いことを知りました。天の声に従って、再び10分の1の人たちが生き残り、次の文明への種となることになりました。若いアトランティスの人たちを集めると、ちょうど10分の1の数になりました。月の時代を忘れないように遺伝子工学で指の爪に半月の紋章を残しました。
 若者たちは磐座に偽装したアトランティスのヨットに乗り込みました。ヨットの数は数千にも及んだそうです。磐座は大地を離れて空高く舞い上がり、若者たちは深く静かな眠りに入りました。222年後の草木動物が戻ってきた大地の上で彼らは目覚める、と天の声から告げられていました。アトランティスの叡智も共に目覚めることになっていました。
 大地に残った人たちも静かに心安らかに天の声が告げたその時を待ちました。巨大な地鳴りが大海嘯の到来を告げアトランティスは滅亡しました。
 彼はアトランティスの叡智にも触れることができました。現代科学を遙かに超越した技術力に圧倒されはしましたが、芸術と哲学の発達も目を見張るものがありました。遺伝子操作による生命技術には恐ろしささえ感じました。あらゆる生命体を意のままに創り出せる神術の領域に達していたからです。高度な科学技術に中庸をもたらしていたのが哲学でした。
 人間に我を与えるとどのようになるのか?
 アトランティスの哲学は、この命題を長い年月をかけて論じ続けてきましたが、その過程で宇宙意識と繋がって宇宙の理を極めたり、宇宙人たちとの交信術を磨き上げることができました。それは神通力と呼ばれるようになり、やがて5つの女血族で色濃く引き継がれていきました。
 結局、アトランティスの時代には、人間に我を与えることは封印されました。
 我欲はその陰影効果で慈愛をより活き活きと浮かび上がらせてくれます。我があるからこそ愛が深まり、愛とは何かに近づくことができます。すでにワンネスの世界だったアトランティスの人たちは、我欲に充ちた人間たちの世界を何度もシミュレーションしてみた結果、人類の叡智を更に深めることができるという結論に達して、次の人類文明の人たちには我を与えることに決しました。
 人間に我を与えるために、新しい世界を創り出す若者たちには、遺伝子工学によって肌、目、髪の毛の色に多様性を与えられました。同時にテレパシーも神通力も想念の力もすべて封印されました。我は欲望を生み出します。長い困難な時代を生き抜いていく中で、欲望はさまざまな食、金、モノ、支配、権力を生み出すでしょう。争いの絶えない世界を続きます。病が蔓延して、人々は死を恐れるようになり肉体にフォーカスする時代が続くでしょう。我欲に満ちあふれた物質中心の世界はやがて自滅していきます。何度も何度も自滅していきました。
 アトランティスのシミュレーションでは数百回に1回ですが、人類が我欲を乗り越えることができた世界が現れました。彼らはこの奇跡に賭けました。
 苦難の時代を生き抜いていく人類のために、アトランティスは人間の中に慈愛の波動センサーを埋め込みました。我欲を超越した愛おしさを感じられるようにしたのです。我欲の対極に慈愛があります。この慈愛の中にいる時だけ、アトランティスの叡智と繋がり、アトランティス人のように宇宙エネルギーで生きることができるようになります。テレパシーも神通力も想念の力にも繋がることができます。肉体へのフォーカスが宇宙へのフォーカスに切り替わるにつれて病と死の恐怖が薄れて、生の悦びと感謝が充ちてきます。精神エネルギーは美へと向かい、新しい芸術が生まれてきます。どんな芸術が生まれてくるのか?まではアトランティスでもわかりませんでした。 
 我があるから慈愛がわかり愛が深まります。死があるから生命がわかり生を楽しめます。
 カラフルな夢は、この慈愛の色、この生の悦びの色、新しい美の芸術の色だったことに彼は気づきました。そして漆黒の闇に浮かんだ黒板はアトランティスの叡智であり、今まさにその叡智の封印が解かれ始めたことを知りました。

投稿者: 医療法人愛香会 奥山医院

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